フォークミュージック(民俗音楽)って何?

新年最初のライブを松阪のサライにて、ミュージシャンズ新年会的に「World Folk Music Party」とした。主催のトリタニタツシさんと、当初「Nordic Party」としていたのだが、参加ミュージシャンの幅もあり今回は北欧に特化せず、とても刺激的な会になった。次回があれば、ミュージシャン以外のみなさんも積極的にお誘いしたい。

 

 

 

 

「フォークミュージック」とは?

 

さて話は「folk music」問題。フォークミュージック。民俗音楽。たいへん定義のしにくいカテゴリー。大事かどうかは後に回し、定義もなくフォークミュージックを話題にしているのはなんとも気持ちが悪い。現代において一般的な「フォーク」のイメージと言ったら、フォークソング、フォークシンガー、フォーク酒場?いわゆるギター弾き語りの歌のようなものが連想される。70年代頃の社会的なメッセージを込めたものを指したりもする。しかし、いわゆるトラッド系の音楽をやる人たちが言う「フォーク」はもう少し本来的なもの。

 

はたしてその本来の意味は?というと、原義としては、(階層化社会における)民衆の音楽。つまりヨーロッパでは、クラシック等の宮廷や教会の音楽と比較される形で、民衆の中に生まれ親しまれた音楽を指したもの。日本で言うなら、雅楽などの宮廷音楽に対する労作歌という形でカテゴライズできる。ところが。18世紀にもなるとクラシックは既に民衆に広まる。日本でも音楽は江戸で大衆芸能化される。近代以降は音楽そのものが民衆の楽しみであり、上層階級の音楽との比較はあまり意味を持たない。すると、現代において、民俗音楽とは、「民間伝承のもの」と改めて定義する。つまり、都市やメディアと結びついたポピュラーミュージックと区別する。ところが。

 

 

日本のフォークミュージックは民謡?

 

日本語ではフォークミュージックは「民謡」と訳されるが、現代に残る日本の民謡のほとんどは江戸時代以降、つまり近代のものと聞く。テレビやインターネットこそないが、平和だった江戸時代、旅行や参勤交代で各地から持ち込まれる郷土芸能。「お国はどちらですか?」「では郷土の歌など一つ」となれば、人気のあるものは江戸で流行り、再び人の往来によって全国に流通する。自身、各地で出会う民謡の歌詞は北から南まで似た文句が歌われるものが本当に多い。また7・7・7・5で歌う”どどいつ調”のリズムの取り方もかなりの割合で各地の歌に共通する。著作権もなかった時代、乱暴に言えばいいものはパクリ放題。人気のあるものが残っていくのが世の常。こうなるとポピュラー音楽と民俗音楽の区別もつかない。果たして海外はどうなのだろう?ここは自分で歩いてないのでわからないが、ある程度裕福になれば、文化活動は一旦均一化される。旅行などによる文化の往来も激しくなる。そうなると事情は世界でそう変わらないのではないか。

 

 

音楽は風土から

 

さて、ここまでくると、民俗音楽、フォークミュージックを語ること自体がどうでもよくなってくる。では僕らは何に憧れるのか。それはきっと、その風土やローカルにしか生まれなかった音楽に興味があるんだと思う。その背景には、暮らし、コミュニティー、信仰等が大きく作用している。つまり、音楽だけを切り離して考えるとナンセンス。いわゆる形骸化する。

 

人によって音楽のアプローチはさまざまだけど、僕が民俗学的な興味を持ち始めたのは2010年の北陸の旅。佐渡島で集落に10日間滞在し、その村で話をすれば、ほとんどが田畑や山の話だった。これが理解できなければ何もわからないと思っていたところ縁あって、翌年に田んぼを始めた。そして去年、自身の田んぼで実りを得て、いよいよ音楽に向き合える気がするのだ。

 

音楽はいろんな力を持っているのかもしれない。世界に響き、宇宙と交信するという人もいるし、そうかもしれない。ただ、僕が知っている音楽は、人の営みの中にあり、まずはそこに素朴な役割があったと思う。今のところ、音楽として興味があるのはそこである。風土無くして語れないし、そこに人間の暮らしがあって芸能となる気がしている。

 

 

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