土の上に生きて〜朔の薪割り歌〜 <風と土SLN#7>

さまざまな出会いと縁に驚かされた2017年。この歌の導きは大きかったように思います。まだきちんと報告していなかった、美杉移住の経緯も含め『風と土』セルフライナーノーツ最終話。お付き合いください。

 

 

2年半ほど前のこと。長らく福島でお世話になっていた音響さんに「同級生が三重に住んでいるから」と紹介されて出会ったのが沓澤敬さん。「日本料理 朔」というお店がオープンする直前のこと。気さくな人柄も後押しでしたが、敬さんと家族の生き方に惹かれ、お店がオープンすると折を見て食事をしに。慣れない懐石料理。こんなにもすーっと受け入れて感動できるものかと。そんな体験でした。

 

お店が休みの冬に訪ね、ゆっくりお酒など。日が落ちる頃に響いた薪割りの音。その光景とリズムが体に残り、書いたのがこの薪割り歌でした。2011年から筒香(和歌山)で体験してきた農作業、出会う民謡。ああそうか、僕が憧れるのはこういうものかと思っていたさなか、不意に生まれた仕事歌でした。

 

この年の秋、朔で、土地の料理と三重の酒、そこに生まれる歌というコラボイベントが実現します。その会でこの歌を初披露。終えて身内的打ち上げにて、残った三重の酒を酌み交わしながら、「美杉いいなぁ」と言ったのがきっかけ。「実はいいところがあって」と妻の佐知子さん。いやぁ住むとかそういうんじゃなくて・・・でも見るのはおもしろそうだし、あ、誰かに紹介できるし・・・と訪ねた家。その家に、この曲がCDとして発売される頃に住むことになったというのは、運命と言っておいた方がすっきりします。

 

気づけば40年出会うことのなかった親戚に囲まれ、さまざまな出会いが美杉にまたつながり、というのは少し恐いほどの縁。探し求め選ぶ移住ではなく、自然に逆らわず生きていく中で出会う人や土地。それは旅で交流が続いているさまざまな地域との関係にも通じるものに感じます。

 

風と土。土への敬意と憧れを持ちながら、やはり流れに身を置くということのような気がします。美杉での経験がまた歌となり、みなさんに聞いてもらえると思っています。

 

活動20年の節目も無事横浜で歌うことができました。来年は美杉で新たなお誘いができると思います。今年も一年ありがとうございました。アルバム『風と土』あらためて聞いてください。

 

 

土の上に生きて

 

冬が来る前に 薪をそろえて

斧を振りおろす 音が山に響く

 

黄昏はひとときで みな影になる

煙がのぼってゆく 月をかすめる

 

憧れではなく 流れに身を置く

ただゆっくりと ただ還ってゆく

 

ここに立つ命 山と向き合い

受け入れられたか そして朔になる

 

土の上に生きて 風を仰いで

空に伸ばす体 山に溶けてゆく

 

 

Choji『風と土』

 

(ジャケットの絵は朔の沓澤佐知子さんによるもの)

 

1. ホーボーワルツ

2. キヨちゃんのバギー

3. まわせ一升ビン

4. 収穫祭〜はたごんぼの歌〜

5. 村祭

6. かくれんぼ

7. 土の上に生きて〜朔の薪割り歌〜

 

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かくれんぼ <風と土SLN#6>

年内に完結しようと書いています。第6話はかくれんぼ。筒香(和歌山)の田んぼオブザワールドと同じ年に始めた、宇陀(奈良)の宇陀歌彼岸会(※1年目は「宇陀のお寺でお月見コンサート」)。ここにもテーマ曲が欲しいと思って書いた歌。

 

報恩寺というお寺は、お寺だからこその地元の拠り所であると共に、移住者や旅の人の集う場所でもありました。福島の友人を介して知り合った、吾妻由梨さんの導きでここを訪ねたのはもう7年前。吾妻さん自身も福島から三重へ家族で移ってきて報恩寺に通っていた一人です。

 

土地の人と他所の人。仲間になれたかなと思うと、またどこかへ去ってしまったり。それぞれの境遇やライフスタイルも違う中、そんな出入りの多い身の回りのコミュニティーの中で、心を通わせ繋がっていたいというのは実は儚い思い。少しずつ少しずつ。出会いを重ねながら。

 

 

かくれんぼ

 

月は満ちたか
もういいかい まぁだだよ
雲にかくれて、さぁまだ見えず

 

遠くはなれて
知らぬ思いを
空にたずねて、さぁまだ知れず

 

日々の別れに慣れてゆく
思い出すのは同じ月

 

近づいたのも
思いすごしか
くりかえしては、やがて丸くなる

 

 

Choji『風と土』

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NAGIで紹介されたCDレビュー>

※クリックすると大きくなります

 


村祭 <風と土SLN#5>

お馴染みの童謡をカバーしたものですが、この曲を思い起こすきっかけとなった動画があるので紹介しておきます。

 

 

2015年春の中国地方ツアーで、山口を訪れたときに、シンガーソングライターの落合さとこさんと深夜のyoutube談義で、おしえてもらったもの。無声映画の時代に、レコード・トーキー(レコードに合わせて手動で同期させる実験的な映像作品)として作られたようなんですが、ちょっとした衝撃でした。映像の素晴らしさから、この曲の魅力も再発見し、いつしか歌うようになったんですね。もちろん同じアレンジはしませんが。

 

そして実はもう一本同じシリーズのもので、衝撃の作品があってこちらも。

 

 

それにしても80年以上前。技術の発達でできることの増えた今のエンターテイメントより、ずっと独自性を感じるのが不思議です。この夏のツアーでカバーした「隣組」もそうですが、戦前の暮らしやコミュニティーにヒントがあるのかな。

 

 

村祭

 

村の鎮守の神様の

今日はめでたい御祭日

ドンドンヒャララ ドンヒャララ

ドンドンヒャララ ドンヒャララ

朝から聞こえる笛太鼓

 

年も豊年満作で

村は総出の大祭

ドンドンヒャララ ドンヒャララ

ドンドンヒャララ ドンヒャララ

夜までにぎわう宮の森

 

実りの秋に神様の

恵みたたえる村祭

ドンドンヒャララドンヒャララ

ドンドンヒャララドンヒャララ

聞いても心が勇み立つ

 

 

Choji『風と土』

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収穫祭〜はたごんぼの歌〜 <風と土SLN#4>

今年もはたごんぼの収穫の季節です。一年の恵みに感謝をする収穫祭。農作物を育てるのに関わると喜びもひとしおです。収穫祭ツアーなどもしたかったですが、またよい機会あれば。さて、はたごんぼの歌については、前にいきさつを丁寧に(2話に渡って)書きましたがこぼれ話を。

 

 

和歌山県は橋本市で今や特産品として売り出し中のはたごんぼ。10年も前に、西畑という地区で、この幻のゴボウと言われた「はたごんぼ」復活の中心メンバーに、3人の男の人がいました。一人は歌を依頼してくれた素和さん。そして歌を作るために一年、畑でごんぼづくりを指導してくれた岩橋さん。そして、もう一人、徳田さんという人が今は西畑を離れていたので会えずにいたんですが、紹介してもらい、歌詞を書き上げる前に、じっくりと話を聞きにいったんです。

 

ごんぼへの愛情が強く伝わり、まるでごんぼの気持ちを代弁するかのような話ぶりに、心奪われ、ついに歌の中でその気持ちを歌うことにしました。高野山へ向かって歩く雑事のぼりに始まり、場面が変われば主人公は、はたごんぼ。「格好のことは言わんといてくれ、一生懸命生きたこの形。」

 

 

徳田さんは歌の披露の会にもいらっしゃらなかったので、直接CDを届けに行きました。後日メールにて「はたごんぼの現在、過去、未来、長所や短所といった性格まで伝わる。・・・土の中にいたごんぼが羽をつけて羽ばたくようだ」と、やっぱりごんぼへの愛情たっぷりの感想を伝えてくれました。

 

はたごんぼに関わり愛情を注ぐメンバーは他にもたくさんいて、くにぎ広場でその方たちと顔を合わせ、おしゃべりするのが大好きです。今年もいよいよ収穫の季節。関わるみなさんの気持ちの分まで、ますますあちこちで歌っていこうと思います。

 

(写真は素和さん、後ろにちらっと岩橋さん(笑))

 

 

収穫祭〜はたごんぼの歌〜

 

くにぎの山に雲が広がる

男たちは、かついで登る

この豊かな土に、手足を触れて

太陽と共に、暮らし生きていた

 

時は流れ、人は流れ

変わらないのはこの土地、もう一度耕そう

 

くにぎの山に声が聞こえる

一年の恵みを、集い祝おう

 

太くて長い、はたのごんぼは、香りをかげばすぐにわかる

大きな葉っぱにお日さんを受けて、ただたくましく育っていく

 

どこまでも伸びてはたごんぼ、いのちの限り進んでゆけ

苦労の分だけ味がある、どこまでも芯を通してゆく

 

さあ、あっち行くかこっち行くかはわからない

ただがむしゃらに水を求めて

格好のことは言わんといてくれ、一生懸命生きたこの形

 

どこまでも伸びてはたごんぼ、いのちの限り進んでゆけ

苦労の分だけ味がある、どこまでも芯を通してゆく

 

春夏秋冬と年を越えて、土を耕して暮らしてゆく

この土地の誇りはそこにあった、きっと喜びもそこにあった

くにぎの里に実りがある、今年も元気に迎えよう

人々がまた集まってくる、命の喜び分かち合おう

 

 

Choji『風と土』

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まわせ一升ビン <風と土SLN#3>

 

さて、ツアーでご唱和いただこうと「まわせ一升ビン」。タイトル通り、酒飲みの宴会の歌です。そもそも日本酒を飲むようになったのはツアーへ出てからのこと。東北や北陸の各地で、うまいから飲んでみろと杯を勧められ、覚えたものです。

 

地方集落の僕が好きなコミュニティーには、だいたい下品なおっちゃんがいて。それを上手にいなす、生まれた時からの付き合いの仲間がいて。全く洗練されてないけど、なんだかんだ調和が取れている、そんな輪。山や川に囲まれた地域の暮らしというのは、ユートピアではなく、いかんともしがたい縁のもと、共に生きていく輪なんだと思います。

 

「税金もなんもかんもあがって、下がるのはオレのパンツだけや〜ガハハハハ」

 

飲まない人にとっては迷惑なもんなんでしょうけど、お酒飲んでウダウダと続くしょうもない話も、地域の暮らしが垣間見えて、わりと最後まで付き合ってしまいます。ツアー先の各地でまた「まわせ!まわせ!」とお付き合いください。

 

 

まわせ一升ビン

 

晩酌のつもりが一合二合と手酌酒
生酒だから今夜のうちに飲んでしまおう
酒の肴はうちの畑にあるものでいい
日本人で、ああよかったな そして

 

みんなが集まりゃ、一升ビンを「まわせ!まわせ!」
下世話な話も、飲んだ席だろ「ゆるせ!ゆるせ!」
でかい声で笑う

 

いいとこ来たなと地元の酒を買っておく
土地のものがやっぱり一番だな
山に田んぼに気持ちいい風が吹いている
日本人であぁよかったな そして

 

風呂から上がれば、一升ビンを「まわせ!まわせ!」
明日の話は、飲んだ席だろ「あとで!あとで!」
楽しい酒を飲もう

 

みんなが集まりゃ、一升ビンを「まわせ!まわせ!」
下世話な話も、飲んだ席だろ「ゆるせ!ゆるせ!」
でかい声で笑う

 

せーの「かんぱーい!」

 

 

・・・・・・・・・・

 

Choji『風と土』

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キヨちゃんのバギー <風と土SLN#2>

 

 

キヨちゃん。歌を書いたことを本人に言えずにこれまでやり過ごしてきたのですが、もはやCDとなっては、これを持って報告に行かねばと。

 

ちょ:「喜んでくれるか、怒られるかわからんよ。」

キヨ:「ほな、聞いてみよか。(ニヤッ)」

 

感想はまた。

 

4年前松阪の家に越して、最初に気になったのが、朝早く(夏は6時頃)から聞こえてくる、「ガラガラッ」。手押し車に体重をあずけながら、まるで体の一部のように進めていくキヨちゃん。その角度といい、無駄のない動きといい、おもむろにその上に座る時の自然さといい、キヨちゃんほどスマートに、この手押し車を使いこなしている人を未だかつて見たことがない。そして村中どこにいても出くわす。

 

キヨ:「あんたどこへ行くん」

ちょ:「ちょっと墓へ」

キヨ:「今度は九州へ行くんやてな」

ちょ:「え、なんで知ってんの」

 

いろんなことを聞かれるし、なんでも知っている。そして進むも話すも自分のペースは譲らない。一度うちにニュージーランド人の友達サムがやってきた時も、気が付けばもう話しかけられていて、「あんたも稲刈り行くんか?」って聞かれたらしい。

 

最近、もう年だからと、畑を人に譲ってしまい、通る回数が減ってしまったのが気になるところだけど、CDをそっと座面の下の入れ物にしまうと、今日もいつもと同じスピードで、進んでいった。キヨちゃんかっこいいぜ。あなたには演歌よりもロックンロールがよく似合う。

 

 

 

キヨちゃんのバギー

 

日が昇ればガラガラっとやってくる
大きな声で誰かを呼んでいる

 

朝の7時も8時も9時も10時も
お昼食べたらまた午後から

村の端から端まで、転がしてく

 

どこを通ってもガラガラっと音がする
「あんたどこへ行くんや」と聞いてくる

 

今日も7時も8時も9時も10時も
お昼食べたらまた午後から
村の端から端まで、転がしてく


雨が降ったら合羽で転がしてく
今日も自分のペースを守ってる

 

墓も畑も田んぼもゴミ置き場も
川沿いの砂利でも苦にせず
村の端から端まで、転がしてく

 

「もう暑くてかなわんわ」と言っている
でもかまわず村中を見回ってる

 

墓も畑も田んぼも浅間(せんげん)さんも
川沿いの砂利でも苦にせず
村の端から端まで、転がしてく


今日も変わらずガラガラっとやってくる
大声で話しながら進んでく

 

そして春夏秋冬年を越しても
愛車に手を乗せどこまでも
きっと、東京まで転がしてく

 

村の端から端まで、転がしてく
 

 

・・・・・・・・・・

 

Choji『風と土』

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ホーボーワルツ<『風と土』セルフライナーノーツ#1>

「方々(ほうぼう)を旅して作りました。ホーボーワルツ、聞いてください」といつもMCして歌っていますが、この曲は旅で出会ったある人を思って書いたものでした。ニューアルバム『風と土』セルフライナーノーツ、まずはこの話から。

 

 

松山(愛媛県)の大久保さんとは、結局2度会っただけ。一度目は横浜の喫茶店で、初めての四国ツアーを企画するのに、海をつくる会坂本さんが紹介してくれたのでした。白っぽいトレンチコートを来て、初老のビジネスマンという、少し気難しい感じの雰囲気に緊張。僕らの小さなカフェライブのポリシーを話すと、「夢を持って大きなことをやりなさい!」と叱咤されてしまいました。ミュージシャンに対して「夢を持て!」と言うのもなかなか珍しいコメントです。目指してるものは少し違うと思いつつ、その熱心に向き合ってくれる姿勢というか、強いバイタリティーというか、何か気になるものを感じ、ライブのことは別にしても、松山に行ったらもう一度会いたいなと思ったのでした。

 

その後ツアーまでの間、マネージャーであるひーさんがメールで何度もやり取りをしていたのですが、見たことものない、古い表現や難しい言葉が並び、辞書を片手に返事をしていたのを覚えています。ひーさんの文章とはまるで釣り合わない不思議なやり取りでしたが、それでもとてもマメで丁寧にメールを返してくれて、ひーさんとしてはこの時間が大久保さんとの心の距離を縮めていたようです。

 

4月、春のツアーで松山を訪ねます。ライブの翌日に、松山の繁華街にある大久保さん指定の居酒屋を訪ねると、座敷の奥から、一度目の印象とはガラッと違う、くだけた満面の笑みで、「よく来たな〜!」と迎えてくれたのでした。そしてこの夜話したあれこれは忘れません。大久保さんの夢、そして僕らの活動のこだわりに対する的を得た説教。おもしろかったのは、大久保さんはどんな出会いで会った人にも真剣で、パソコンを開くと頻繁に入る迷惑メールの類いも、隅々まで読み分析し、どうしてそのようなことをするのかについて、独自の視点で考察を話してくれました。そして、僕らなりの活動への思いに、「周りを気にせず貫いていけ」と後押ししてくれたのでした。

 

 

その夏、秋田大曲に遠征にでかけているところへ、紹介してくれた坂本さんから電話があり、大久保さんが癌で亡くなったことを知りました。あの出会った時のエネルギーからは信じられない一報。お葬式には行かれなかったのですが、遠征後、お線香をあげに再び松山を訪ねました。奥さん曰く、病気が分かって一番信じられなかったのは本人だろうと。最後の最後まで生きるつもりでいたと話してました。「あの人は癖のある人だったから、合わない人も多くてね」と言ったのも奥さんの言葉。僕らにとっては、あまりに強烈な印象で、忘れられない、僕らの今をまた見てもらいたかった。大久保さんは今年で七回忌。やっとできたCDを持って、坂本さんと、9月松山まで会いに行くことにしています。

 

 

ホーボーワルツ

 

そうだね、今年も方々へと
地図に誘われ、縁によばれ
遠いあの人とあの場所で
うまい酒が飲めればいいな

 

一年一度の縁だけど
二度目に会えばもう懐かしくて
よく来たな、と大きな声で
またおいで、と優しい声で

 

あの人がいなくなったとか
遠い知らせに聞いた
少しずつ変わる時の中で
また同じ話をしよう

 

あの人はクセのある人だから
合わない人も多かったのよと
そうだね、そのせいで僕などは
また会いたくなったものです

 

訪ねるほどに知る人は増え
また酒でも飲めばその気になって
それでも土地の人にはなれないけど
風になれたらいいな

 

あの人が言ってた
気にせずに貫けと
少しずつ変わる時の中で
変わらないものを作ろう


どこまでも同じような景色でも
それぞれに暮らしがあることを
旅人は何も知らないけど
土地に風が今日も吹く

 

あの人は知ってた
まだ話し足りなかったけど
少しずつ変わる土地を歩き
変わらない思いを聞こう

 

 

・・・・・・・・・・

 

Choji『風と土』

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軽トラでゴー<セルフライナーノーツ#3>

筒香ではそろそろ田んぼも籾蒔きの頃。そして春のツアーも近づいてきましたが、今日は軽トラでゴー。



その筒香(和歌山県伊都郡高野町)の人たちがたくさん登場しますが、実は元々松阪(三重県)のうちの前を通る、田んぼと田んぼの間のまっすぐな一本道を通って歌い出したんです。でも歌を書いて行けば、筒香の人や生き物たちがどんどん登場してきて。初夏の頃の集落の風景がそのまま一曲になりました。

そういえばこの曲を筒香で初披露した時、もちろん場面は「田んぼオブザワールドin筒香」ですが、たまたま客席に、駐在さんまでちょうど巡回のつもりか座っていて、当然みんなも振り返りますよね。ちょっとおかしかったです。もうその駐在さんも引退しちゃったんだよな〜。ちなみに”ミーさん”と”ゲンやん”は筒香で会えますよ。



・・・・・・・・・・

軽トラでゴー

集落の一本道をガッタンゴットン
揺れる荷台に、道具を積んで
畑からゲンやんが見てる
プッププーって鳴らしてこたえる

忙しい季節が始まる 走り抜けてく

山際の道もスーイスーイと
涼しい風が森から吹いてくる
駐在さんの車がぐーるぐーる
「暇やろ〜」なんて言っては怒られる

黒く焼けてく右腕 走り抜けてく

草たちは遠慮なく伸びてく
仕事はいくらでもある
あっという間にお昼はやってくる
もうミーさんはビールを開けてる

よれたメロディーが流れる 走り抜けてく

今日も皆元気だ 作る野菜も米も元気だ

雨が降ればカエルが無謀に
ピョコピョコと横断してく
夜には鹿たちがのそのそと
「なによ」って知らん顔で歩いてる

風呂に入り酒を飲んで明日も、走り抜けてく

・・・・・・・・・・



Choji ニューアルバム『田んぼオブザワールド』
http://choji.jp/cd_tambo.html

「Choji街道〜2015春・中国地方編〜」。福島以降の後編追加スケジュールもまもなくスケジュールページにアップします。各地のライブへぜひ遊びにきてください。

ライブスケジュール>
http://choji.jp/schedule.html
 

田んぼオブザワールド<セルフライナーノーツ#2>

春のツアー、今年は初めて中国地方を周ります。CD発売から一年近く経ちましたが初めての春なので、CD発売記念ということで。セルフライナーノーツは、改めて「田んぼオブザワールド」です。



当時はまだ横浜の団地に住んでいる頃で、毎月車で8時間もかけて和歌山は高野山麓の田んぼまででかけて行くのは、はまってしまったというより他に言いようのない感じでした。各地方を周るツアーで田んぼはいつも景色の中心にあったものの、いざ中に入ってみると見えるものが変わり、苗の様子、水の温度、カエルの声、森の色、ひと月ごとの景色の変化を次第に敏感に感じていくようになった気がしていました。

ちょうど夏の青々とした田んぼを目に焼き付けて帰って来た頃に、浮かんだフレーズがそのメロディーでした。でもそのまま完成はさせず、秋の収穫を迎えるまではじっくりと育てることにしました。そしてやがて稲刈りを終え、集落は冬を迎える頃、一年を振り返ります。色の無い景色が春を迎える瞬間、力みなぎる夏、一面の稲架掛けにトンボが舞う秋、少しずつ体の中に溜めていた言葉と感情を、季節を送りながら長い一曲に創作したのでした。

初めての米作り。都会から通ったこともあり、どこか憧れがあったのも事実です。それでも集落の人たちと汗を流し、酒を飲みながら、長くずっと続けてきたその暮らしに、少し触れられた実感もありました。休耕田を一つずつ再生しながら、土地の人との交流は年を追うごと深くなり、3年後の大きな水害の経験はまた別の歌になりますが、「田んぼオブザワールド」は、集落に暮らす人、都会にいても心の奥にこの景色を持っている全ての人に響けばと思っています。



ところでタイトルの「田んぼオブザワールド」。これは田んぼの中のコンサートをイメージしてて口をついたコトバでしたが、まだ始まってもいないイベントのテーマソングを書いた形になりました。もちろん翌年そのイベントもスタートすることになりましたが。


・・・・・・・・・・・


田んぼオブザワールド

色のない季節が終わろうとしている
生き物たちがごそごそし始める
あたたかくなったとあの人が言う
里に少しずつにぎわいが戻る


種を蒔きましょう、田んぼの季節
聞いたカエルが、もうそばまで来ている
水が入った 空が映った
小さな苗がサラサラと揺れてる

新しい一年をここから始める
おしゃべりな仲間と、青い空と

田んぼへ行こう、風を浴びよう
カエル追いかける子供の声
山は緑に、里はにぎわい、
繰り返す季節と生きてゆく


お気に入りの帽子をかぶってでかける
鳥も虫たちも元気に動いている
きゅうりやなすがぶらさがってる
夜は川の上にホタルがひらひらと

ほら、声をかければ、笑顔で返す
集まればまたわいわいと始める

田んぼ緑に、きらきら輝く
山にこだまする、ヒグラシの声
夏祭りには、皆で踊ろう
昔話は止まず、酒はすすむ


誰かが言った、田舎はいいなと
誰かが言った、都会はいいなと
失ったものは何だったのか?
憧れたのは何だったのか?

それぞれの思いを話さないまま
僕らは土に触れ汗をかいた

田んぼへ行こう、風を浴びよう
頭垂れた稲穂、赤とんぼ
山は色を変え、里に実りが
綴じてゆく季節にありがとうと…


・・・・・・・・・・



Choji ニューアルバム『田んぼオブザワールド』
http://choji.jp/cd_tambo.html

4年ぶりに新しい土地へのツアー。「Choji街道〜2015春・中国地方編〜」岡山、広島、山口、島根、鳥取とライブします。ぜひ予定を立てて聞きにきてください。

ライブスケジュール>
http://choji.jp/schedule.html
 

みかん狩りランデブー<セルフライナーノーツ#1>

アルバム『田んぼオブザワールド』発売から半年以上経ちましたが、舞台となった地域の紹介も含め、ずっと書こうと思っていたセルフライナーノーツ。お付き合いください。第一回は、今週の小田原は曽我のコンサートに合わせ、ここを舞台にした『みかん狩りランデブー』から。



野菜売りの三好さんを通して、曽我の農家柏木さんとのお付き合いももう10年近くになりました。中でも11月の終わり頃から始まるみかんの収穫には今や、毎年一度はお手伝いに行っています。

この曲の物語の中心は、初めて手伝いに行った2011年のこと。歌を書いたのはその1年後。みかん収穫に夢中になりながら、ついついいろんなことを告白してしまうという展開でしたが、この作用は偶然でなく、毎年似たようなことが起こりました。いつも言ってますが、言いにくいことを言うには、いっしょにみかん狩りに行くことです。

歌に書いていないことが二つ。みかん山からの下り、軽トラの荷台から見た夕暮れの富士山が美しすぎたこと。横浜への帰り道、正面に上がった満月を「みかん色だね」って誰かが言ったこと。歌にするのに話なんか盛りません。むしろ体験が濃密でさまざまなミラクルがあり過ぎて、歌には入りきらないこともあるんです。みなさんも一度みかんもぎ、実体験してみてくださいね。

あ、ちなみにタイトルは“みかん狩り”ですが、みかんの収穫は観光ではなくお手伝いなので、柏木さん曰く”みかんもぎ”だそうです。誰かの真剣な暮らしの中に、わいわいとおじゃまさせてもらって、それがお手伝いになって喜んでもらえたらとても幸せなことです。



いっしょに軽トラの荷台に揺られたつもりで、聞いてください。


・・・・・・・・・・

みかん狩りランデブー

荷台に乗って、坂を登って
街は白く光ってる

細い道を、丘の上へ
進む、進む、ガタゴトと

ルルルルルル

カゴを背負って、ハサミ持って
みかんの木を囲んでく

青い空に浮かぶみかん
やさしくつかんで、傷つかぬよう

ルルルルルル

声は聞こえて、顔は見えず
木の陰で誰の声

みかんだけに心を許して
誰かが秘密を話し出す

ルルルルルル

落としたみかんが坂道コロコロ
子どもたちが追いかける

お茶を飲んで、みかんをむいて
聞いた秘密が気になってる

ルルルルルル


枝の間に夕日がさして
そろそろ帰ろうか、声がかかる

荷台に乗って、坂を下る
街は赤く染まってる

ルルルルルル

・・・・・・・・・・



Choji ニューアルバム『田んぼオブザワールド』
http://choji.jp/cd_tambo.html

柏木さんのみかんや野菜はみよさんの野菜市で>
http://choji.jp/yasaiichi


最後にお知らせ。曽我は梅の産地でもあって、毎年梅の花の咲くころに「小田原梅まつり」が行われています。今年は柏木さん家で「春待ちコンサート」を開くことにしました。2/11(水祝)と14(土)二日間の開催です。まだまだ寒いですが、あったかくして梅林を散策したら、柏木さんのおうちでいっしょに春を待ちましょう。お待ちしてます。

ライブスケジュール>
http://choji.jp/schedule.html
 

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